LOVEPAIN②
「お前だって……」
ナツキはそう口にして、
私の存在を思い出してまずいと思ったのか、話題を変えた
「そーいえば、彼女を連れて来たのは、
俺に紹介するため?」
「それも有るのですが、
俺、服を着替えに来たんですよ。
あっ、俺、着替えて来ますね」
須田はそう言って、
リビングから1つの部屋に入って行った
その須田の後ろ姿を見ていると、
先程ナツキが失言しそうになって、
とりあえず私の前から離れたいと思ったように見える
慌てたように、
その部屋のドアがガチャリと閉まる
このナツキの住む部屋は、
ザッと見た感じ2LDKだと思う
その2つ有るうちの1つの部屋を、
須田が使っているのだろう
そうやって後輩を居候させてあげている辺り、
ナツキは仲間には優しい良い人なのかもしれない
「ねぇ、広子ちゃんは、
あいつが客とヤッてんのに気付いてんだ?
俺がそれを口にしかかった時、
微塵も動揺しなかったから」
すっと私に近付いて来て、
耳元でそう話される
さっきは話を変えて隠そうとしていたのに、
この人、なんでそんな風に須田の彼女で有る私に話してしまうのだろうか?