LOVEPAIN②
「ナツキさんって、性格最悪ですね?」
「そう?
俺優しくない?
さっきだって、広子ちゃんの事を覚えてないふりしてあげたのに。
お前の女、店に来た時ずっと俺の事を物欲しそうに見てたって。
流石に、これはケイには言えないでしょ?」
そう不敵に笑われ、
悔しいけど何も言い返せない
ナツキはそっと、私から体を離した
そして、着ていたスーツの上着のポケットから、
一枚の紙切れを取り出し、
私のモッズコートのポケットに入れた
「それ、俺の名刺。
ケー番とかメアドとか書いてるからさぁ、
連絡して来なよ?
ケイには内緒で、ゆっくりと会おう」
「誰が……」
「ケイの事で困った事が有れば、
相談に乗ってあげるし?
あいつから話聞いてるけど、ケイの奴重いでしょ?」
「えっ」
口を開きかけた時に、
私服になった須田が部屋の扉を開き、
リビングに戻って来た
「お待たせ」
何も知らない須田は、
ん?とした表情で私達を見ている
私とナツキとの間に流れる、なんとも言えない雰囲気を、
須田も感じとったのだろう