LOVEPAIN②


「ナツキさんって、性格最悪ですね?」



「そう?
俺優しくない?

さっきだって、広子ちゃんの事を覚えてないふりしてあげたのに。
お前の女、店に来た時ずっと俺の事を物欲しそうに見てたって。

流石に、これはケイには言えないでしょ?」


そう不敵に笑われ、
悔しいけど何も言い返せない



ナツキはそっと、私から体を離した


そして、着ていたスーツの上着のポケットから、
一枚の紙切れを取り出し、
私のモッズコートのポケットに入れた



「それ、俺の名刺。

ケー番とかメアドとか書いてるからさぁ、
連絡して来なよ?

ケイには内緒で、ゆっくりと会おう」



「誰が……」



「ケイの事で困った事が有れば、
相談に乗ってあげるし?

あいつから話聞いてるけど、ケイの奴重いでしょ?」



「えっ」


口を開きかけた時に、
私服になった須田が部屋の扉を開き、

リビングに戻って来た





「お待たせ」


何も知らない須田は、
ん?とした表情で私達を見ている


私とナツキとの間に流れる、なんとも言えない雰囲気を、

須田も感じとったのだろう



< 453 / 476 >

この作品をシェア

pagetop