ＬＯＶＥＰＡＩＮ②

私達は再び歩きながら、

手に持ったクレープに口を付ける



クレープは遠い昔、
小学生くらいの時に近所のスーパーに有ったお店で食べた以来なので、

本当に久し振り



このクレープは昔食べたクレープよりも生地がしっとりとしていて、

中の生クリームが本当に美味しい




時々、満里奈や美鈴に学校帰りにクレープやパフェを食べに行こうと誘われる事があったけど、

いつも断っていた


そんな事に使えるお金の余裕が無かったから



でも、今は自分で買って食べる事が可能だし、
須田が今みたいに買ってくれる



そう思うと、少なくとも今の私は、

少し前迄よりも幸せなのだと実感が出来た




その通りは長くて、
二人で服を見たり雑貨を見たりしていたが、

飽きることが無くて本当に楽しかった



私がそれらの店の商品を気に入って見ていると、

須田が、買ってやろうか？と訊いて来るけど、

私はその度に首を横に振って断った



そうやって訊かれ、
簡単に手に入るのだと思うと、

その瞬間色褪せたように本当に欲しいのか分からなくなってしまう



さっき迄食べていたクレープみたいに、

どうしてもと言う程に
本当に欲しいと思わないからか