LOVEPAIN②
「広子、知り合い?」
ずっと舞花を凝視したままの私を怪訝に思ったのか、
須田は私とそのカップルを交互に見ている
暫くの沈黙が私達4人に流れた後、
真っ先に口を開いたのは舞花
「ああ~、誰かと思ったら、
涼太にちょっかい掛けてた女?
男が出来たからか、
ちょっと垢抜けてて分かんなかった」
「舞花?知り合い?」
舞花の横に居る男性も、須田みたいに怪訝そうに私と舞花を見ている
「べつに、知り合いじゃないし!
ただ、ほら、とも君と付き合う前に付き合ってた男の浮気相手。
あんな男、あんたにくれてやるのに」
途中からは、私に対してそう言葉を吐いていた
相変わらず可愛い子なのに、
口を開くと残念だと思ってしまった
私は特に何を言っていいのか分からず、
言葉が出て来ない
手が震えて来たからか、
それを抑えるように強く須田のブルゾンを掴んだ
そうしたら、
今度は足も震えて来る