LOVEPAIN②
「広子?」
須田は私を心配していたが状況が把握出来ていないのも有り、
特に何も言えなくて困っている
「あんたさぁ、新しい彼氏が出来たのか知んないけど、
また遊ばれてんじゃないの?
あの後、涼太を問いただして訊いたら、
あんたと付き合ってたのは、
しつこくあんたが言い寄って来るから仕方なくだって。
後、こんな事も言ってたっけ?
こいつなら簡単にヤレそうだって思ったって」
「てめぇ、黙れよ」
「キャア、離して――」
舞花が話すのを遮るように、
須田は舞花の巻いた長い髪を掴む
「駄目!辞めて!」
私は須田を止めるように
その手を両手で強く掴むと、
須田はその手を舞花の髪から離した
茶色の髪が、
須田の手から数本落ちて行くのが見えた
「――べつに、この子が言ってるのは本当の事だし……。
みんな、私なんか本当に好きじゃなくて……。
須田くらいだよ……」
色々と思い出したら涙が溢れて来て、
目眩がして来た
涼太も、成瀬も、私とはちゃんと付き合ってくれなくて、
ヤル事はヤルくせに……
あのナツキって人だって私に近付いて来たのは、
どうせ私とヤりたいだけなんだろうな……
きっと、須田だけが変わっていて、
私なんか男性が本気で付き合いたいって思うような魅力なんてなくて――