LOVEPAIN②
「――広子。
さっきの女、なんなんだよ?
苦しいなら、俺に話してみろよ」
須田も地面に膝を付き、私の体を強く抱き締めてくれた
私達の周りを通りすぎる足音が沢山聞こえ、
きっと、周りの人達は今の私達を変に思いながら見ているんだろうな、
って想像出来た
そう思うと、私はそれが嫌で仕方がない
なのに、須田はそれでも私を強く抱き締めてくれた
「広子。何があったんだよ?」
再び、そう声を掛けられて、
もう限界だったからか、
苦しみを吐き出すように言葉にした
元彼で有る涼太に二股のような事をされていて、
実際に私は遊ばれていただけだった事
前に、あの舞花と言う女の子に、
嫌になるくらいに罵られた事
その時、どれだけ自分が惨めだったか
話しているうちに
感情が高ぶって来たからか、
意識がはっきりとしなくなって来ていた
須田にタクシーに乗せられて、
家に帰って来たのは覚えている
自分の部屋に着いたら安心出来たからか、
その頃にはもう普通に須田に接していた
須田もいつものように私と話していて、
もう、舞花の話題は出なかった