LOVEPAIN②
「さっさと入れよっ」
怒鳴るような須田のその声と共に、
ジャケットの襟元を引っ張られ
背後から腰を蹴られて、
一人の男性が私の部屋へと入って来た
その男性の顔は、数ヶ所腫れて赤くなっていて、
見るからに殴られたような痕があった
「――涼太」
その殴られた男性が一瞬誰か分からなかったけど、
それは紛れもなく涼太
「靴脱いで、さっさと入れよ!!」
須田は涼太の頭を殴るように、
背後から押す
涼太は黙ったまま靴を脱ぐと、
私の前迄歩いて来た
涼太と目が合うが、
その目は虚ろで
心底弱っているのが分かる
涼太だけじゃなく、
須田にもどう声を掛けたらいいのか分からず、
おどおどとしてしまう