LOVEPAIN②

「さっさと入れよっ」


怒鳴るような須田のその声と共に、
ジャケットの襟元を引っ張られ
背後から腰を蹴られて、

一人の男性が私の部屋へと入って来た




その男性の顔は、数ヶ所腫れて赤くなっていて、

見るからに殴られたような痕があった




「――涼太」



その殴られた男性が一瞬誰か分からなかったけど、
それは紛れもなく涼太




「靴脱いで、さっさと入れよ!!」


須田は涼太の頭を殴るように、
背後から押す



涼太は黙ったまま靴を脱ぐと、

私の前迄歩いて来た



涼太と目が合うが、

その目は虚ろで
心底弱っているのが分かる



涼太だけじゃなく、
須田にもどう声を掛けたらいいのか分からず、

おどおどとしてしまう





< 465 / 476 >

この作品をシェア

pagetop