LOVEPAIN②

涼太は突然床に膝を付き、
すみませんでした、
と土下座をした




「――涼太。

ねぇ、須田、一体何なのよこれは」



須田に対する恐怖に体を震わせながら私に謝る涼太を見ていて、

私迄今の状況が怖くなって来る


涼太にあった恨みなんか忘れて、
その謝罪にただ困ってしまう




こちらに歩いて来る須田の右手の甲が血で赤くなっているが、

それが須田の血なのか、涼太の血なのか分からない




「――広子、ごめんなさい……。

許して下さい……」


涼太は、涙声で頭を下げたまま私に謝り続ける



私よりも、須田に許しを求めているように感じた





「もっとデカイ声で謝れよっ!!」


須田が涼太の体を蹴ると、
涼太はバランスを崩して横に倒れてしまう


だけど、須田を恐れてか、直ぐに体勢を整えて、

私に謝罪を続ける




「――須田、涼太に何したの?

どうやって、涼太を見付けたの?」


私は震える涼太から、
須田に視線を上げた



涼太程じゃないけど、

私も須田に対して今、
恐れを抱いている





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