LOVEPAIN②
「広子、お前もこいつ殴ってもいいんだぜ?
こいつがなんかしようとしたら、俺が止めるから」
「――私は、いい」
もう一度涼太に会えたら、
文句を言って一発くらぶん殴ってやろうかと思っていたけど、
今はそんな気がさらさら起きない
「じゃあ、俺が」
須田は涼太のジャケットの襟元を掴み、
無理矢理立たせた
そして、自分の方へと向かせると、
涼太を思いっきり殴った
「辞めてー!!」
私が大声でそう叫ぶと同時に、
涼太の体は部屋に有ったシェルフに激しくぶつかり、
大きな音を立てた
須田はそんな涼太に近付き立ち上がらせると、
再び涼太を殴ろうとするが、
私はそんな須田の手を掴む
「お願い辞めて!!
須田、お願い!!」
気付いたら、泣きながらそう叫んでいた