LOVEPAIN②

ガチャッ、と再びドアが開き姿を現したのは、成瀬



靴を脱ぎ捨てると息を切らしながら、
私に駆け寄って来た




「広子、お前は大丈夫なのか?」


成瀬はしゃがみ込むと確認するように、
私の両頬に手を当てる



成瀬の顔を見た瞬間に、また涙が溢れ出して来る





「私は大丈夫です。

彼が……涼太…元彼を連れて来て殴って……」



どう説明していいかも分からないし、

嗚咽が漏れて上手く話せない



成瀬は涼太に視線を向けて、
傷だらけのその顔を見て状況を把握していた




私からすっと離れた成瀬は、
涼太に近付いた



まさか、成瀬迄涼太に何かするんじゃないか、って、
気が気じゃなくなって来る



だけど、成瀬は再びしゃがみ込み床に膝を下ろすと、

涼太に向かって土下座をするように頭を下げた






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