LOVEPAIN②
「――成瀬さん。
ありがとうございます。
私だけだったら、
須田の事を守ってあげられなかった……」
涼太が警察に話したら、
須田はまた少年院に入ったりしていたかもしれない
私の為にしてくれた事なのに、彼だけが罪になる
もしそうなったら、
私は一生須田に悪いと思いながら生きて行かないと駄目だった
もし、別れたいと強く思っても、
負い目が有るから悪いと思って、
絶対に別れる事なんて出来ない
須田の事じゃなく、
私はそうやって自分の事ばかり考えてしまう
「目の前でこんな騒ぎ起こしてるのを見て、
これ以上に事を大きくしたくないだろ?
それに、お前の彼氏の気持ちが分かるから。
まぁ、やり過ぎだが……。
それより、お前の男は?」
「えっと、篤さんが無理矢理連れて外に」
「じゃあ、篤の家とかに居るのかもな?
俺行って、お前の男に、
二度とお前の元彼氏に手を出さないように忠告して来る」
成瀬はそう言って立ち上がり、
部屋から出て行こうとする