LOVEPAIN②

「――ふてくされてないで、
何か話せよ」


沈黙を破ったのは、成瀬の方




「――下手くそ」


そう呟くと、成瀬の右眉が動いた




「もういっぺん言ってみろよ」



「成瀬さんって、セックス下手なんじゃないですか?」



「そうだよな?

俺との時は、今日みたいにお前あんなによがってなかったよな?

何回もイカせて貰えて、良かったじゃねぇーか」



「成瀬さん、撮影中じっとこっち見てましたよね?

いくら仕事でも、気持ち悪い」



「なら、もう俺の事なんか好きじゃなくなれよ。

あっ、もう、俺の事なんか好きじゃないか?」


そうやって、私を嘲笑うその声を聞いてると、

カッと頭に血が上るのを感じながらも、
少しすると妙にそれが悲しくなって来る





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