LOVEPAIN②

「――今日、お前がした事の大半が、
初め俺がNGにしてた事ばかりなんだよ。

コウジロウさんの方が、俺なんかより仕事に対してシビアだよな。

NG外した途端、殆ど組み込んで来て……。

俺は私情を挟んで、駄目だ。
お前のNGだって、
俺が絶対にお前にして欲しくない事ばかりで選んで……」



成瀬に密着しているからか、
その声が全身に重く響く




「――成瀬さんが私に絶対にして欲しくない事を、

私はしたんですね?」



「ああ……。
俺以外のをくわえたり、
いれられて笑ってんじゃねぇーって。

お前に対しての気持ちが、
冷めたのかさらに増したのかよく分かんねぇけど、

死にたいくらいに、苦しい」


さらに強く、私を抱き締める


その力は痛くて苦しくて



成瀬が苦しんでいるその姿を確かめながら、

私は相反して嬉しいような感情を抱いていた



勿論、それは顔には出せない



こんな好きの形って歪んでいる気もするけど、

成瀬の気持ちが自分のものになったみたいで嬉しいと、
思ってしまう





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