LOVEPAIN②

「――あっ、タイミング良く滝沢さん!

パッケージ撮影の日取りの事かな?」


成瀬は無音のバイブで震えるスマートフォンを取り出し、

廊下の方へと消えて行く




「本当に、今日はありがとうございました」


私はもう一度、コウジロウさんに頭を下げた



成瀬が居なくなり会話に困ったので、
とりあえず礼を言う




「いえいえ。
こちらこそ、いい作品が撮れた。
まだ明日も有るけどねー。

広子ちゃんってさぁ……」


そう言って細めた声に、
この先何を言われるのか不安になる



さっきまでニコニコと笑っていたコウジロウさんが、
今は真剣だから




「なんでしょうか?」


恐る恐る、訊いてしまう






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