LOVEPAIN②
帰りの車内は、とても静か
会話が、無い
私は疲れきっていて、
話したくないだけだけど、
成瀬はよく分からない
「――寝てて、いいから」
その成瀬の声に、
ハッ、と、重くなっていた瞼を開いた
「――それって、私に寝てて欲しいんですよね?」
「まぁ、なんか気まずいから」
成瀬にそう言われ、
確かに気まずいのかもしれない
私が、よりも、成瀬の方が
コウジロウさんに責められ、
かっこ悪い所を見せたような気もするだろうし、
少なくとも撮影中は、
私が他の男性と絡んでいても平気だと私に見せていたかったのだろう
仕事だと、割り切っていると