幸福猫
「別に対した事じゃないんです。いつも家にいないのにたまに帰ってくると解ったような説教。だから今朝も喧嘩しちゃって・・」
俺は思わず顔を下にさげた。
いつからだろう。顔を合わせる度になぜだかお互いにイラついて、憎んで・・・その後に少しだけ言い過ぎたかと後悔をする。後悔をするのにまた顔を見ると同じ事を繰り返す日々。
「それでも離れられないのが家族なのよね。」
「えっ?」
お婆さんが呟いた言葉に俺は下げていた顔を上げてお婆さんを見た。
「家族の絆って言うのはね、あなたが思っているよりずっとずっと強いものよ。生まれる前からのね。」
お婆さんはムーンを撫でていた手を俺の頭にのせ、今度は俺を撫でた。なんだかとても懐かしい気がした。
「絆・・・そんなものうちの家族に在るのかな。」
「例えば、犯罪を犯した時にテレビで犯人の代わりに謝罪してくれるのは誰かしら。死んだとき最後まで看取ってお墓を整理してくれるのは?」
お婆さんはにっこりと微笑んだ。
「母親って言うのはね、子供の幸せを願うために生きて、父親は子供の将来を考えて働くの。他人のためにそこまで出来ないでしょう?」
そんな風に言われて微笑まれたら反論出来ない。
俺は思わず顔を下にさげた。
いつからだろう。顔を合わせる度になぜだかお互いにイラついて、憎んで・・・その後に少しだけ言い過ぎたかと後悔をする。後悔をするのにまた顔を見ると同じ事を繰り返す日々。
「それでも離れられないのが家族なのよね。」
「えっ?」
お婆さんが呟いた言葉に俺は下げていた顔を上げてお婆さんを見た。
「家族の絆って言うのはね、あなたが思っているよりずっとずっと強いものよ。生まれる前からのね。」
お婆さんはムーンを撫でていた手を俺の頭にのせ、今度は俺を撫でた。なんだかとても懐かしい気がした。
「絆・・・そんなものうちの家族に在るのかな。」
「例えば、犯罪を犯した時にテレビで犯人の代わりに謝罪してくれるのは誰かしら。死んだとき最後まで看取ってお墓を整理してくれるのは?」
お婆さんはにっこりと微笑んだ。
「母親って言うのはね、子供の幸せを願うために生きて、父親は子供の将来を考えて働くの。他人のためにそこまで出来ないでしょう?」
そんな風に言われて微笑まれたら反論出来ない。