豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
光恵は視界の端にいる二人を、気にしないよう努力した。気にしたって仕方がない。ただの先輩後輩に見えるときもあるし、もっと親密に見えるときもある。
でも光恵には関係ないことなのだ。
そう、関係ない。
あ、ゆうみがわらった。
孝志も笑ってる。
ゆうみの肩を撫でて、まるで愛しい人を見るような眼差しを向ける。
「気にしないって言ってるのに!」
光恵は小さく自分に悪態をついて、頭を振った。
そろそろ、台本の調整も終わりが見えきた。
終わってしまえば、ここに来なくてすむ。
あの二人がいちゃこらしてるのを見なくてすむ。
なんて素晴らしい!
光恵は超特急で仕事を終わらせようと、コンピュータに向かいあった。