豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


「俺はずっと前の俺と同じ。変わってない」


「でも……痩せてるし」
早い血流のせいで、軽くめまいを感じている。でも悟らせてはいけない。


気持ちは変わったでしょう?
もうわたしを見ていない。


「俺は今でも、チョコレートが大好きだし、ピザの誘惑と戦ってる」
「そうなの?」
「当たり前だよ。そうそう本質はかわらないって」
「じゃあ、キットカット箱買いしてる?」
「……いつもネットのカートに入ってる。でも購入ボタンを押さないように、我慢してる」


孝志はそういって笑った。


「ほら、変わった」
光恵も笑う。


「そうかな……」
孝志は首をかしげ、それから「じゃあ変わったのはその部分だけ」と付け加えた。


「変わった。俳優としての自信がついたように見えるし、それに……」
ふと光恵の頭にゆうみの整った顔が浮かんだ。


「きれいな女優さんとも、親しくなれるほど、女性に慣れた」

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