豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「ミツさんは、この仕事辞めたりしません」
輝は眉をつりあげて、そういった。
辞める?
「そりゃ辞められちゃこまるなあ。でもミツの人生だから、止められない。この仕事をしてたら、結婚なんかできないもんな。まあ出会う奴にもよるけど」
三池が言う。
役者達が口々に話はじめた。
「輝じゃあ、無理だな」
「わかりませんって。成功するかも」
輝が言う。
「孝志なら大丈夫」
「お、じゃあ、ミツは孝志に戻るのか?」
なるほど、結婚!
そっか、ミツもそんなこと考えたりするんだあ。
輝は冷たい視線を投げてくる。
「ミツさんはもう、佐田さんのことなんか、気にもしてませんよ」
おもしろがって滝川が話し始めた。
「そりゃ、お前の願望だろうよ」
「人生わかんないですから」
「確かに人生はわかんないけどな。まあ、孝志がミツっていうのも、今となってはぴんとこないもんな」
孝志は思わず「なんでです?」と口を出す。
「だってお前、もう芸能人だもん。ミツは一般人。ちょっと違いすぎるんじゃないか?」
滝川が笑いながら言った。
違う?
どこが?