豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
「二人とも、出てって!!!」
光恵の大声に、二人ともびくっとした。おそるおそる光恵の顔を見ると、光恵は顔を紅潮させて、ほとんど涙目だ。
「放っておいてって言ってるでしょ! 輝くん、今日、また余計なことみんなにしゃべったって? この間やめてくれって言ったのに!」
「あ、あの、それは……佐田さんの態度にちょっといらっとして」
「あなたは人にイラッとすると、約束を忘れちゃうわけ? どうしてそんなお子様なの?!」
うはは。
野島、そうとう叱られてるでやんの。
「孝志! あんたも! どういうつもりか知らないけど、ごちゃごちゃかき回すの、本当にやめてよ! こっちにはこっちの事情があるの! それから!!! むやみに手を出してこないで。わたしは一般人だし、あなたは芸能人で、生活も価値観もまったく違うんだから、混乱するの! 今度触って来たら、マスコミに秘密を全部しゃべってやるから!!!」
光恵が二人を玄関先から追い出す。
バアンと大きな音がして、扉が閉められた。
暗い廊下で、野島と顔を見合わせる。
それからばつが悪くなり、下を向いた。