豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~


それから、たわいもないことをしゃべりながら、お酒を飲み続けた。飲むことでごまかしている、そんな感じ。まじめな雰囲気や、ちょっとした沈黙が怖くて、ありとあらゆる話題を口にした。


「もう十二時。泊まらないなら、そろそろ帰る?」
腕時計を見て、孝志が言った。


光恵は開放感にほっと溜息がでる。
何もおこらなかった、ちょっとした失望感も混ぜて。


「うん、帰る」
そういって立ち上がった。


孝志は笑うと光恵の耳元に口を寄せる。
「また今度、ゆっくりとね。全部終わらせちゃうと、つまらない」


光恵は顔が真っ赤になるのを止められない。
孝志は笑ってそんな光恵を見ている。


あの孝志が!
恋のかけひき?
そんなこと、するわけ???


信じられない。


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