豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
最悪なことに、今日のリハーサルに顔を出さなくてはいけない。二人の姿を見るのだ。
孝志はどんな顔をするだろう。
すると「ピンポーン」とドアのチャイムが鳴った。
光恵はけだるい身体を持ち上げて、扉を開ける。
「おはようございます」
輝が立っていた。
「おはよう」
光恵は無理に笑顔を作る。
「ミツさん……いっしょに稽古場いきましょう」
「輝くん……」
「報道が気になるなら、本人に聞けばいい」
「もういいよ」
光恵は首を振る。
輝は心配そうな顔を見せ、それから「とにかく一緒に行きましょう」と光恵を誘った。