豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
大きな歓声の中、幕が降りる。
袖の奥に立つ、光恵が見えた。
彼女が頬を手で拭い、微笑んだ。
「さあ、アンコール」
三池が袖から声をかけた。
孝志はゆうみと並んで、舞台のセンターに立つ。
ゆうみの頬は赤く染まり、初めての舞台の興奮が伝わって来た。
ゆうみが孝志を見上げ、笑顔を見せる。
孝志も自然と笑顔になった。
幕が上がり、大きな拍手に迎えられる。
頭を深く下げた。
「ありがとうございました」
孝志は声をはりあげた。