豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
4 - エンディング -
「光恵の世界を、みんなに見せてくる。ここで待ってて」
彼は輝いていた。
光恵の頭の中にいた人物に、彼が命を宿らせた。
光恵がこの作品を書いた時、太った孝志の写真を見ながら想像した。
舞台を降りると別人のようにやぼったく不器用だった男が、恋をして変わっていく様を。
誰かのために、何かしてあげたい、自分を変えたいと願うようになる、その成長を。
今、目の前に、想像していた孝志がいる。
君が、
好き。
これまでも、
これからも、
変わらないのは、
この気持ち。
シェフが厨房の奥で、自分の気持ちに気づいた時のセリフ。
なぜ、あんなにも孝志の新しい姿に、不安を覚えたんだろう。
わたしのために、変わろうとしてくれたのに。
心臓の鼓動が早くなる。
わたしは今、目の前の彼に、恋をしてる。