豹変彼氏~ドラマティックに愛されて~
なんだ、そうだったんだ。
今までのもやもやの正体がわかり、自分が荒れているのはわかったが、どこかすっきりした気持ちになっている。いつから孝志を意識して、いつから孝志を好きだったのか、自分でもよく分からないけれど。孝志の面倒を見たのは、彼が好きだったから。結局それだけのことかもしれない。
「小デブのくせに、やるじゃん」
光恵は布団の中で、小さく笑った。
もういよいよ布団から出なくちゃいけない時間だ。
「やだあ」
光恵は自分には似合わない、弱音なんかを吐いてみる。それだけでちょっとほっとする。ストレスの発散って、こうやるんだ。
そこに玄関のチャイムが鳴る音がした。
こんな朝早く、誰?
光恵は重い身体を引きずるように、布団から這い出て、玄関を開けた。