嫉妬はしないけど好き
「リコ〜!!」
チャイムが鳴ると
麻亜ちゃんが私の元に走ってきた。
隣の席の天夜くんの元には女の子が集まっている。
「リョウくん、かっこいいわ〜
狙おっかな!♩」
「いいんじゃない?
私はタイプじゃないけど
まあイケメンだし。
応援するよ」
「ま、まあでも…
ライバルは多そうよね」
麻亜ちゃんは隣をチラ見しながら
はあっ…とため息をつく。
顔は良くても性格がどうかよね。
私も誰かいい人いないかなあ〜。
「相田さん〜!!」
と、私の名前を呼ぶ声。
呼ばれた方を見ると男の子。
「こいつが話しあるってよ!」
指差した方には
まさにサッカー少年!って感じの
男の子が立っていた。
こんな私に何の用かな?
「麻亜ちゃん、行ってくるね〜」
それだけ言って
その男の子の元にかけよる。
「えっと…話って?」
「こ、ここじゃなんだから…
屋上に来てくれない?」
もじもじしながら答える男の子。
どうしたんだろ…
トイレかな。
そう思いながら屋上までついていく。
「あの…リコさん!
俺と付き合ってください!」
…いや、まず誰なんだろう。
名前さえも知らないよ。
「あ、えっと…
俺の名前は中村 ショウ!
2-E組なんだけど…知らないよね」
「うん、知らない」
こんな子いたっけ?
っていう状況。
「あの!返事はいつでもいいから!
じゃ、じゃあね!!」
去ってしまった。
なんだったんだ。
OKしようと思ったのに…。
まあでもいつでもいいなら
返さなくていいか。
めんどくさいし。
「…我ながら性悪だな、わたし」
そう呟きながら
屋上のフェンスによりかかる。
教室に戻るのもめんどくさいし
寝よーっと。
おやすみなさい。