嫉妬はしないけど好き


ただいま無言で連行されています。

周りからの目が辛い。


そして、空き教室に入った。
ガチャと何故か鍵も閉める。

「天夜くん、授業あること
忘れてない?」

昨日サボったから
極力今日は出たいのだけど。

「あのさー、あんまり
俺の事まわりに言うなよ」

「?なにが?」

俺の事?
天夜くんのことなんか
何も知らないのに
なにを周りに言うと言うんだ。

「俺の素の性格のことだよ。
分かれよ、ドアホ
こっちの喋り方が本当の俺。
で、皆の前での明るいバカみたいなのが
ネコ被ってるほう。」

うん、それはわかってたけどさ

「なんで、素隠してるの?」

そこだよね。

「友達ほしいから」

おっ?
なんだ、こいつ
こんな顔してその俺様みたいな
雰囲気を出しているやつが

友達ほしいから

なんて言い出したよ!
か、可愛いな…くそ…

ん?でも素を出しても
友達くらいはできるんじゃないか?
顔はいいんだし。

「俺、中学の頃友達いなかったんだよ。
顔だけで女は寄ってくるけど
それで男から嫌われててさ
パンダみたいな女に興味ねえから
ずっと避けてて、一人だった。
だから高校になって友達が欲しかったんだよ。

てか、何で言わすんだよ、察せアホ。」

…なぜ、最後に口が悪くなるんだ。

「なるほどなるほど。
じゃあ言わない!
そのかわり!」

「そのかわり?」

「私といる時は
素でいること!」

いや、個人的には
素の天夜くんしか好きだし。
タイプではないんだけどね。
静かで本を読んで黒メガネで
独特の雰囲気を醸し出している男の子が
ドタイプ!!!!

「おう…。

じゃあ、さっそく
購買いってパン買ってこい」

といい、五百円を手渡された。

ちょ、ちょっとまて

「だれがパシリになるなんて
言った!?!?」

「あ?お前だろ?
俺の素はこんなんだから
仕方ねえよ」

そう言って、ニヤっと笑う天夜くん。

いや、天夜!!
性格悪すぎ!
パシリを使うのが素って
どんな神経してんのよ!

「はあ…
まあ、いいけど。
私も買いに行くところだったし。」

観念して、私は結局
買いにいくのであった。
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