消える前に……
「修くんって頭いいのに、
そういうの覚えるの苦手なんだね~!」
「俺バカだから!」
「修くんがバカだったら私どうなっちゃうの~!?」
綾が笑いながらそう言ってきた。
そんな風に、
ふざけあっていたらいつの間にか日が暮れていた。
「もう日、暮れちゃったね。
綾、家まで送るよ。」
俺がそう言うと、
綾はすぐに俺に言ってきた。
「ううん!大丈夫。」
「でも、もう暗いし危ないよ?」
「大丈夫だって!
今日は何となく、
一人で帰りたい気分なんだ!」
「何だそりゃ?
分かった。駅までは送るよ」
「ありがとう。
修くん優しい!」
俺は綾の手を握りしめ、
駅まで一緒に歩いて行った。
「バイバイ!
また明日学校でね!」
綾がそう言って、
手を大きく振っていた。
「うん。また明日!」
俺はそう言って、
手を振り返した。