消える前に……


なぜなら今回のテスト、

綾は学年で1位だったのだ。


そんな風にいろんな思い出とともに、

時間は流れて行った。


そして、

時間の流れとともに

俺の病気も見えない所で確実に進行していった。


そして、

今日は数カ月ぶりの定期検診の日。


俺は、

学校を休んで両親と病院に向かった。


俺もだいぶ病気のことを受け入れて、

前向きになったから両親は安心してはいたものの、

やっぱり病院に向かうときは、

俺も両親も真剣な顔になっていた。


そして、

俺はいろいろな検診を受けた。


「確実に病気は進行しています。
そして現在は二次段階に移り、
好きな物や嫌いなものなどと言った物が
変わり始めるころです。」


俺は、

医師のその言葉を聞いて

病気の進行を認めざるを得なかった。


自分でもわかっていたのだ。


最近好きな食べ物とか、

興味を持つものが変わってきていることに気づいていたから。


そして、

何となく前の俺と違う気がしていることも。



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