消える前に……


俺たちは6人全員が同じクラスだった

奇跡に喜びを隠しきれず、

昇降口の前で喜んでふざけあっていたからだ。


時計の針が9時を指し示し、

始業式が始まったことを告げると、

俺たちは急に現実に引き戻された。



『『『やばい!!!』』』



俺たちは声をそろえてそう言うと、

走って教室に行き、

鞄を机の上に置くと、

急いで体育館に向かった。


「やばい、やばい!!」


言いつつも、

みんなでこうやって一緒に走れることが嬉しくて、

自然と顔が笑顔になる。


遅刻しているのに、

そんな笑顔で体育館に行くから、

体育館の入口に立っていた井上先生に叱られた。


「お前らは新学期早々から!!
笑顔で遅刻……
そんな生徒見たことないぞ……。
特に鈴木と菊池!!
お前らは2年連続だぞ!!」


「すいません……。」



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