消える前に……


俺らって本当に同じレベルだな。


そう思わずにはいられなかった。


俺らは井上先生に続いて

体育館に入って行った。


体育館の中ではもう式が始まっていて、

俺らは気まずい雰囲気を味わった。


式はあっという間に終わり、

俺たちは6人で歩きながら教室に向かった。


「最高の一年の始まりかと思えば、
やっぱり良いことの後には
嫌なことが待ってるんだな……。」


「明日から一週間大変だな……。
早起き苦手なのに……。」


一輝がそう言うと、

奈央が携帯をちらつかせて言ってきた。


「私がモーニングコールしてあげる。
それとも直接、
起こしに行った方が良い?」


「奈央優しいな!」


またいつもと同じことの繰り返し。


大切な友達と、

大好きな人が

いつも隣にいてくれる。


これだけで本当に

幸せだってことを

この病気から俺は学んだ。



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