消える前に……
「私は一輝のそう言うところが好きなんだ。
子供みたいに単純だけど、
真っ直ぐで、
曲がったことが嫌いなそういう性格が。」
「俺も。」
奈央の言葉に俺は
全くを持って共感できた。
そんなことを話していると、
教室に井上先生が入ってきた。
「各自、自分の席に着け。」
井上先生の一言で俺たちは席の戻り、
教卓の前に立つ井上先生の方を向く。
「もう知っていると思うが、
今日の朝、
各自の机の上に
進路希望調査のプリントを置いておいた。
もうお前たちは3年生だ。
そろそろ将来こととかも考えて、
進路も決めないといけない時期だからな。」
井上先生の言葉で俺は、
改めて3年生になった事を実感した。
今までの一年とは違う一年がはじまる。
そう考えると、
緊張してきてしまった。
「まぁ、
まだ部活をやっている者もいるし
そんなに慌てて決めることはない。
自分の将来のことだ。
じっくりと考えて決めること。」