消える前に……


「あんなに大きく手を振らないでよ!
恥ずかしいじゃんか……。」


廊下から奈央のそんな言葉が聞こえてきて、

俺たちは思わず笑ってしまった。


「あの二人って本当に最高だよな。
あのコンビは越えられないよ……。」


俺がそう言うと、

朋樹は未紀を引き寄せて、

自慢げに俺の方を見てきた。


「あ~はいはい……。
朋樹たちが一番ね……。」


俺たちはいつもこんな調子だ。


いつも仲良しで。


「じゃぁ俺たちも帰るか?」


朋樹の提案に俺たちは、

立ち上がり教室を出ていった。


4人で駅まで向かい、

駅で綾と未紀と別れ、

俺と朋樹の二人で電車に乗って

家に向かった。


家に着くと、

リビングに向かい、

床にかばんを置き、

プリントを取り出して、

ソファーに座った。



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