消える前に……


「そんなわけないだろ!
俺が綾と同じ大学になんて、
行ける訳ないじゃん!」


「だよな~!」


朋樹のその言葉に

俺は言い返した。


「俺だって頑張れば、
すごいんだもんね!」


そう言って俺たちは笑い合った。


今はこうして

笑い合っているだけで充分だ。


俺もみんなも

将来の夢とか叶えたいけど、

今の時間は二度と戻ってこない。


だから、

ちゃんと今の時間を

大切にしていかないとな。


俺は、

笑い合いながらそんなことを思った。


それと同時に……


今の時間が終わらずに

永遠に続いてくれればいいのにな……。


そう思った。


そんなこと、

絶対にありえないのに……。


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