消える前に……
そう思えてきた。
そう思うとむなしくなり、
とても悲しくなった。
部屋に響く音は何もなくて、
余計に寂しさが込み上げてきた。
その時、
机の上に置いてあった携帯が鳴った。
携帯を開き、
画面を見ると
『綾』の名前が表示されたいた。
俺が電話に出ると、
綾が話しかけてきた。
「勉強頑張ってる?」
「まあまあね。
こんな時間に電話って何かあった?」
俺がそう質問すると、
綾は少し寂しそうな声で言ってきた。
「最近忙しくて、
あんまり二人で話せなかったから……。」