消える前に……
◇夏の思い出
進路希望の面談も終わり、
俺たちの一学期は
終わりに近付いていた。
そして、
夏休みが近付いてきていた。
俺たちの
高校生活最後の夏休みだ。
みんな大学受験があるから、
勉強も一生懸命やらないと
いけないが、
最後の夏休みだから、
今までの中で
最高の夏休みにしたい。
そういう思いが
俺の中で膨らんでいた。
その時、
一輝が俺たちに
提案をしてきた。
「夏休みにみんなで
旅行に行かない?
高校生活最後の
夏の最高の
思い出を作りにさ?」
一輝も俺と同じことを
考えていたんだな。
そう思った。