消える前に……
俺は冷蔵庫から
お茶を取り出し、
窓の外を見ながら
お茶を飲んだ。
少し眠かったけれど、
ベットに寝転んでいても、
眠れなかったので
俺は部屋を出て、
海の方に向かった。
昼間はあんなに人のいた浜辺にも
今は人は一人もいなく、
静かでさびしげな場所となっていた。
波打ち際の浜辺に
俺は腰を下ろし、
砂に絵を書いた。
特に書くこともなかったから、
適当に指を
動かしていただけだったけれど。
そんなことをしているときに、
後ろから砂を踏む音が聞こえ、
俺は振り返った。
「修君、ここにいたんだ。」
綾がそう言って、
俺の横まで歩いてくると、
俺の横で腰を下ろした。