消える前に……

次の日の朝-


「はぁ…やれやれ…」


朋樹と未紀が

ため息をつきながら、

声を揃えてそう言った。


昨日俺が心配していたことは

そのまま的中してしまった。


昨日はしゃぎすぎたことと、

夜中眠れなかったことが重なって

俺はまた

起きることができなかった。


俺が目を覚ますと、

俺と綾は向かい合って

手をつないだまま寝ていた。




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そう言えば昨日、

部屋に戻ってきてからも

眠れなかったから、

綾とベッドで寝転がりながら

向かい合って

手をつないでいたんだ。


海辺でつないだ手が

どうしても離したくなくて-



放したくなくて-




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