消える前に……
数時間車でゆられているうちに、
旅行でみんな疲れたのか、
みんな眠ってしまった。
そして綾が
俺の方に倒れ掛かってきて、
俺の方に頭を乗せたまま
寝てしまった。
俺は少し
照れくさいような気もしたけど、
綾の方に首を傾けた。
もうあと数時間もすれば、
みんな家にいて、
綾とこうやっていることも
ないんだろうな。
そんなことを考えているうちに、
俺も眠ってしまった。
俺たちが寝た後も、
一輝はひとりで車を運転し、
一輝の家の近くの
青西駅に向かった。