消える前に……
「じゃあそろそろ電車来るから!」
俺たちはそう言って、
一輝たちと別れ、
駅の中に入って行った。
ホームで電車を待っていると、
綾と未紀と奈央の家の方に
向かう電車が先に来たから、
俺たちより先に帰って行った。
朋樹と二人きりになり、
やっとこの町に
帰ってきたことを実感した。
「あれだけ楽しみにしてた旅行も
もう終わっちゃたよ…。」
残念そうに
そう言う朋樹を見て、
俺も少しだけ
残念な気持ちになった。