消える前に……
やっぱり俺にとって綾は
本当に大きな存在だった。
初めてあった時も
そうだった。
あの時は、
綾のことを何も知らなかったけど、
それでも嬉しいと思う自分がいた。
でも今は、
いろんな綾を知っている。
誰よりも優しくて、
誰よりも温かい。
強く見せているけど、
本当は弱い。
そんな綾を-
だから俺は、
綾の前では絶対に辛い表情を
見せないようにしていた。
俺がつらい表情をすれば、
優しい綾はきっと
心配してしまう…。
俺はそんな綾が好きだけど、
俺のせいで綾に
迷惑をかけたくない。
これが俺の
一番の気持ちだった…。