消える前に……


やっぱり俺にとって綾は

本当に大きな存在だった。


初めてあった時も

そうだった。


あの時は、

綾のことを何も知らなかったけど、

それでも嬉しいと思う自分がいた。


でも今は、

いろんな綾を知っている。


誰よりも優しくて、

誰よりも温かい。


強く見せているけど、

本当は弱い。


そんな綾を-


だから俺は、

綾の前では絶対に辛い表情を

見せないようにしていた。


俺がつらい表情をすれば、

優しい綾はきっと

心配してしまう…。


俺はそんな綾が好きだけど、

俺のせいで綾に

迷惑をかけたくない。


これが俺の

一番の気持ちだった…。


< 232 / 503 >

この作品をシェア

pagetop