消える前に……


俺は二人の反応が理解できず、

ただ二人をじっと見つめていた。


すると突然、

俺の肩を掴み、

真剣な表情のまま

俺に聞いてきた。


「おい!!冗談だろ!?
変な冗談やめろよ!!」


俺の頭の中は

さらに混乱していく。


「どうかなさいましたか?」


俺は訳が分からないまま、

二人がなぜ

そんな真剣な顔で、

そんな悲しい顔で、

俺に聞いてくるかを尋ねた。


「……。」


二人は俺の言葉に

黙ってしまい、

言葉を続けようとしない。



俺は何もわからなかった。


何も気づかなかった。


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