消える前に……


次の日、

目を覚ますと

病室にはみんながいた。


「おはよう!修っ!!」


朋樹が俺に

声をかけてきた。


朋樹の表情は

今までのような、

悲しみのこもった

真剣な表情ではなく、

優しく温かい

笑顔だった。


俺はみんなの

こんな表情が好きだった。


今までと同じく、

思い出せないままだったけれど、

俺は朋樹たちと

昔からの友達のように、

たくさん話したり、

たくさん笑ったりした。


俺はこの時間が

楽しくて仕方がなかった。


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