消える前に……


そっけないような

挨拶だったけれど、

二人が俺のことを

どれだけ思ってくれて

いるのかはわかった。


何も思ってなかったら、

ずっと玄関で待ってるわけない。


兄弟でじゃれ合ったりするのが

照れくさいだけだってことは

俺も知っている。


俺はリビングに行って

二人に言った。


「ただいま」


その言葉に二人は

笑顔を返してくれた。


俺はリビングを出て、

自分の部屋に向かった。


部屋の扉を開けると、

懐かしい光景が

広がっていた。


自分の部屋に戻ってくると、

なんだか急に気が緩んで

眠たくなってきてしまった。


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