消える前に……
久しぶりの学校-
何も覚えていなかったらどうしよう?
そんな不安を抱えながらも、
『またみんなに会える』
そう思うと
早く学校に行きたくて
仕方がなくなった。
学校の準備をしていると、
朋樹が俺を呼びにきた。
「早く学校行こうぜ!置いてくぞ?」
「待てよ~!
俺、昨日まで入院してたんだぞ?
もう少し俺の心配しろよ~!」
俺は笑いながら
そう言って、
朋樹を追いかけた。
朋樹の笑顔は
作ったものなんかではなく、
心からの笑み
そのものだった。
俺たちが学校に着くと、
教室ではクラスメートが
全員集まって
俺を歓迎してくれた。