消える前に……


俺は、

ずっと綾を

抱きしめていた。


このまま

一生放したくない……


これから先、

何が待っているのかなんて

俺には分かんない。


辛いこともあるのかも

しれないけど、

楽しいことも

あるのかもしれない。


だけど俺は

ずっとこうしていられるなら

そんなのいらない。


たとえ俺に

幸せが訪れなくても、

何も手に入らなくても、

ただこうしていられるのなら

俺は迷わず、

こうすることを選ぶ。


何よりも綾を

抱きしめ続けてあげたい……。



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