消える前に……


涙をいっぱい溜めた瞳で

君は俺に

そう言ってくれた。


綾のその言葉は

本当に嬉しかった。


俺にとって、

綾のその言葉は

何よりも俺の心を

救ってくれた。


でも、

俺には自信がなかった。


綾とずっと

一緒にいてあげられる自信が……。


また記憶を失うことも

あると思う…。


綾のことも全部、

忘れちゃう時も来るんだと思う…。


俺が俺じゃなくなってしまう時も

いつか来るんだと思う…。


もし、

その時が来たとき、

俺は今と同じ気持ちで

綾といられるだろうか……。



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