消える前に……
この扉を開けたら、
教室の中には綾がいて……
綾は昨日と同じ表情で
悲しんでいるのではないかと……。
そう思うと俺は
扉をすぐには開けれなかった。
そんな俺を見て、
不思議そうに朋樹は
教室の扉に手をかけた。
「修何してんの?教室入ろうよ。」
そう言って、
朋樹は教室の扉を開けた。
俺はとっさに目を閉じた。
「おはよ!!」
朋樹がそう言って
教室の中に入っていく声と
足音が聞こえた。
俺はおそるおそる目を開け、
教室の中を見た。
「あれ?珍しいじゃん!
今日は一輝と未紀しかいないわけ?」
朋樹が一輝の隣に座って、
そう質問した。