消える前に……
「ん?奈央はまだ学校の準備が終わんないから、あとから来るって〜。」
一輝は元気なさそうに
そう呟いた。
「で、未紀は一輝と二人で
勉強会って訳か。
一輝と二人で
勉強会になんかなるの?」
朋樹は不敵な笑みを作って、
一輝の方を見ながら、
未紀に質問した。
「一輝ずっと奈央奈央言ってて……
はははっ…。」
未紀は苦笑いをしながら
そう言った。
俺も三人のもとに寄って、
鞄を下ろした。
綾がいない……
今日は休みなのかな……?
まだ昨日のこと……。
俺の中での不安は
どんどん広がっていった。