消える前に……


でも、

親が毎年必ず行かないと

うるさいから

俺は誰と行こうか考えた。



綾と行くのは……


朋樹もな……


曖昧なまま

終わらせてしまった去年を、

今年にも

引きずりたくなかったから

俺はみんなを誘うのはやめた。


だから、

半分冗談で翼を誘った。


「翼、一緒に行くか?」


「え……」


翼は黙り込み、

可哀そうな人を見る目で

俺を見つめてきた。


「友達いないの……?」


「違う!いるに決まってんだろ!?
冗談だよ!」


俺は翼の反応に

顔が真っ赤になった。



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